春の梓川は瀬が楽しい!(2002.5.26)

 

(倭橋上流〜田沢橋 約11キロ)

上高地から流れる梓川は奈川渡、水殿、稲核と3つのダムを超え、安曇野へと流れ込む清流だ。豊科で木曽から流れる奈良井川と合流して犀川と名前を変える。カヌーで下れるのは松本電鉄波田から先。そして犀川合流後のダム手前の睦橋あたりまで2日間かけて下れる。雨の増水時を除き、普段は水量が多いとはいえない川だが、雪解け水のある春先は下れるチャンスだ。以前4月に下った時はかなり激しく瀬を楽しめたのだが、果たして今回はどうだろう。



倭橋上流〜田沢橋 11キロ)

azusa20020501.jpg
スタートの倭橋上流左岸は車を土手に止めておく

azusa20020502.jpg
スタート地点から上流側

 

春の梓川は水量が多く、1週間前には濁りもあったので、果たして下れるものか心配があったものの、当日の濁りも無く適度な水量の梓川をみて一安心。

当初スタートを予定していた波田駅近くの梓川橋より1キロ下流からスタートとした。倭橋の上流左岸の土手に車を止める。ここで20年も前から梓川を下っているファルト乗りと出合った。上流の梓川橋からここまでの2〜3キロの区間が一番面白いというのだが、我々は残念ながら時間的都合で上流部をカットしたのだった。
今日は5月ならではの快晴で景色もよくて気持ちがいい。日差しは強いが、風がさわやかだ。思わず期待が膨らんでしまう。

azusa20020503.jpg
課題も残る自作スプレースカートだがこの川では有効だ。一応立体成形
azusa20020504.jpg
まだまだ水は冷たいので、急いで写真を撮る。別に入らなくてもいいのだが。
 


スタートは11時30分を回っていた。水量は初めて春に下った時よりは少なく、夏の渇水時に下った時よりは明らかに多い。初心者も数人いたので、水量的には丁度いい感じだ。スタート直後からゆるやかなカーブと瀬の連続で、以前下った時と変わらない。相変わらず瀞場も無く、休む暇は無い。

すぐに倭橋を越え、中央橋まで一気に下る。その間休むといえば水出し休憩だ。
以前初めて下った時は梓川橋スタート直後のカーブの途中で倒木2本が川を遮り、全員沈をした苦い思い出があるのだが、今回は水量も適度でカーブで張り付く心配も無く、安心して楽しめる。夏の渇水時のようなライニングダウンは無い。


瀬の合間にちょっとだけのんびり
azusa20020506.jpg
左には常念岳が望める


大糸線の鉄橋を超え、その直後に梓橋がある。橋の下にテトラによるクランク状の水路があり、ポーテージのはずだったのだが、今回は川筋が違うためかそのまま進めた。しかし、橋を超えた直後には右手に岩が、そしてそこをクリアした直後に杭が並んでいる。岩を除けて気を緩めると杭に吸い込まれそうになり危ない。メンバーの1人杭に引っかかりそうになって沈することとなった。ここは水量があれば下見したほうがいいかもしれない。橋の上からでも車で様子が見れるところだ。

azusa20020508.jpg
梓橋を超えてすぐの岩に注意

azusa20020509.jpg
岩を避けるとすぐに杭が。気を抜くと杭に吸い込まれる。

azusa20020510.jpg
左に進むが間に合わない
azusa20020511.jpg
決定的瞬間だ


azusa20020512.jpg
お昼の休憩は梓橋のすぐ先

この沈ポイントあたりでまだ半分も進んでいなかったが、1時を過ぎていたので休憩を取ることにした。ここで買ったばかりのレスキューロープの練習をお遊び程度にしてみた。確実に投げるのは難しいものだ。

我々はゴールの田沢橋に4時到着を目標にしていたので、それほどのんびりせずに出発する。しばらく進むと高速道路の橋が見えてくる。ここには川幅いっぱいに堰があるので、左岸からポーテージすることになる。我々の気持ちを映し出すかのように、上を見上げると雲ゆきが怪しくなってきた。そしてすぐに雨が降り始める。

azusa20020513.jpg
高速直前の堰は今回左岸よりポーテージする
azusa20020514.jpg

 


この直後、高速道路の橋桁に急カーブがあるので注意して下る。 


azusa20020515.jpg
堰の先はすぐに高速の橋桁、橋の下は瀬の後に右急カーブ有り

azusa20020516.jpg
高速の橋桁での合流ではインコースに岩有り。
そして合流後はすぐに瀬が始まる
azusa20020517.jpg
結構急カーブで護岸に張り付きそう

  

再び漕ぎ始めるとすぐに奈良井川に合流する。奈良井川は水量が少なく、合流自体気が付かないかもしれないが、夏でもここから先は水量が増えたような記憶がある。右岸沿いに国道が並走するようになる頃、大きな岩2つを避けるコースがあったと記憶していたが、今日は川筋が左岸になっていたので結局気が付かなかった。

そのすぐ後からは岩の多い区間となる。石で積み上げた水制が2つ突き出ているS字カーブがある。ここで、我がサファリ艇は渦に引っかかり、沈。その後もすぐに右急カーブがある。ここでは皆団子状態で突っ込んでいったため、水で削られたカーブの頂点のところでは、岩に張り付かないよう漕ぎまくり、皆同じ角度で並んでいてまさに集団ドリフト状態。このシーンが結構楽しめた。この区間を過ぎればゴールの田沢橋だ。橋よりも、橋の先にあるエプソンの工場が目印にしやすい。

いつのまにか雷が鳴り響き、雨と風が強くなってやばい感じになってきた。雷が近くに落ちると髪が逆立つらしい。急いでゴールにたどり着きたいのだが、逆風で前に進めない。そこで変な方向へ向かう船が1艇。自家製スプレースカートをつけたホリデーESのスプレースカートが風で膨らみ、フネのバウ(前)が上流へ向いている。さらにヨットのようにフネ自体傾いて戻らない状態だ。これ以上風が強いと風沈になりそうな危ういところで、なんとか目標の4時にゴールとなった。

今回の梓川は季節限定のツーリングということで、適度な水量、ライニングダウンも1回限り、危険ポイントもそれほど無く十分に瀬を楽しめたのではないか。決してのんびりツーリングとはいえない川だった。

参考データ:水位

熊倉(犀川合流地点)2.8m
陸郷(犀川ゴール地点)1m

高瀬川もOK

高瀬下橋 水位 0.4m
大町ダム 放流量 38-34m3/s

 


Back