ダッキー
キーワードは「ダッキー」です。「ダッキー」とはインフレータブルカヌー(空気で膨らますゴムカヌー)のことで、安定性がいいので初心者でもすぐに乗れるようになり、ある程度流れの勢いのある川でもなんなく漕げてしまいます。(例えば前が見えなくなるくらい波立つ瀬)
ダッキーの語源はアメリカで、あひるのようにぷかぷか浮いているところから名づけられたようで、これまでのカヌーイストからは少々馬鹿にしたような言い方だったようです。日本ではこの手のゴムカヌーの歴史は浅く、ここ10年の間にかなり広まり、今では川に行けばお目にかかれるくらい人気が出てきました。
ダッキーは組み立て式のファルトボートと同様にコンパクトなので収納や持ち運びが楽です。車の後席の足元にも収まります。重さも15キロ程度です。ゴムは不安という人もいますが、めったなことでは穴はあかないし、たとえ穴があいても修理が可能で多少の破れならガムテープなどの応急処置でそのまま下れてしまいます。ファルトボートのように浅瀬や岩に神経をとがらせなくても、多少のズリズリはご愛敬で済んでしまいます。丈夫であるかどうかは、ジャングル探検で使われたり、宇宙船の脱出カプセルに積まれていることでもある程度想像できるでしょう。(例:グラブナー艇)
組み立てや後片付けは10分もあればできるので、面倒くさがりの人もOK。 ビニールボートのように空気抜きが大変なんてことはありません。バルブを緩めれば一気にしぼみます。
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<安い!>

ヘリオス/グモテックス(チェコ)
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値段が安いのもカヌーの世界へエントリーしやすい理由の一つです。2人乗り艇でも5万円くらいから売っていて、それに2人分のパドルやライフジャケットを入れても全部で7〜8万円から始められます。これは1人あたり4万円で始められるということです。(左の写真の大人気のGUMOTEX「Herios」という2人乗艇はなんとフネだけで3万円で買った人もいます。)以外に大きな瀬にも多少ぐにゃぐにゃしながらも突入できるし、耐久性も結構あるので、一家に1艇あれば長い間遊べます。2000年からはより丈夫な素材を採用しています。 「Herios」のおかげでカヌーを身近にしてくれたその功績は大きい。(拍手)
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<メンテナンス不要!>

ホリデーES/グラブナー(オーストリア)
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とにかくちゃんと乾かして風通しのいい日陰に保管しておけば、ほとんどメンテナンスいらずです。左のフネも4〜5年で80日程使ってますが、全然くたびれてません。
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<弱点もあり!>

サニー/グモテックス(チェコ)
(弱点と上の写真は直接関係ありません)
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(組み立て式のファルトボートと比較)
抵抗が大きいのでスピードが出ません。
波があっても水を切って進むことがありません。
回転性性能もいまいちです。カヤックのような運動性能はあまり持ち合わせていません。
喫水が高く、目線も少々高いので、水との一体感がやや少ないです。
簡単なあまり、パドリング技術がなかなか上達しません。邪道といわれても仕方がないところです。
安易に危ない瀬に突入してしまいます。かえって危険に気が付くのが遅くなることがあります。
風には弱いです。
お尻が一番低い位置になるので腰にきやすいです。またお尻のあたりに水がたまるので、エアマットなんかで調整します。
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<いろいろ遊べる!>

ソロ/グラブナー(オーストリア)
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使い方もいろいろで、川下りだけでなく海や湖でのキャンプ、ちょっとした釣り、陸から近づけない海岸までいってのスキンダイブ等、工夫次第では子供用ビニールプール?にも使えてしまいます。ちなみに僕はウインドサーフィンの風待ちの遊び道具として買ったんですが、川を下ってみるとこれがなんとも気持ちよく、面白かったわけで、風待ちに使うだけではすまなくなりました。
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