春の狩野川ショートツーリング(2001年4月14日)

あまりメジャーではないが、東京から日帰りで行け、適度に遊べる川がある。修善寺温泉の近くを流れる狩野川だ。伊豆半島の真中から北に向かい、沼津の町中を通って駿河湾に出る全長40キロ程度の短い川。東京ファルトクラブN氏の情報を元に今回は春一発目ののんびり川下りを楽しむことにした。

 

スタートは修善寺橋

修善寺駅近くの修善寺橋右岸に桜並木がある。ここより下流から2つの川が1本になる。今回はここから下ることにした。あたりは街中だし、川幅は狭く人工的な感じがするが、瀬は結構ありそうだ。なんとなく景色的には気持ちいいスタートではないが天気だけはいい。ここから石堂橋までの約10キロを下る。海まで20キロ程度で下れるのだが、途中からはどんどん汚い水が流れ込むので、気持ちいいうちに上がってしまおうという作戦だ。(建設省水文水質データベースでは大仁で水位-1m)

上流方向修善寺橋  スタート地点  下流方向

今回は水深が浅く底擦りが前提なので、我々3名はインフレータブルを使用した。(それしか持ってないけど)スタート直後から瀬が始まる。相当浅そうに見えたが、なんとか底を擦らずにクリア。その後左カーブを描きながらテトラがごろごろ転がっている瀬が続く。川幅が狭いので瀬のすぐ横には民家が見下ろすように建っている。狭い水路の真中でテトラが待ったをかける。そこでTs氏が21世紀初の「沈」。2年ぶりに下るというNo氏は無事だった。しょっぱなから皆濡れ濡れだ。

 問題のテトラ       岩を懸命によける

 

スタート地点の狭い川幅も下り始めるとすぐに広がった。しばらくは水深が浅く岩をよけながらも瀬が連続し、以外に楽しめる。次の大仁橋手前まではフネに水がたまってしまうことが多かった。(自分のフネはセルフベイラーなので水がたまる心配は無い)

上流方向       下流方向    

  

怒涛のライニングダウン

狩野川大橋のあたりは浅すぎてライニングダウンの連続だ。右岸寄りを進むと、石ばかり見える見事な浅さでライニングダウンが長く続きそうだ。後の2人は左岸を進んだので、途中歩いて中州を横切り様子を見に行くと、既に下流を進むNo氏艇を発見し、少しあせる。左岸回りのほうがスムーズだった。

橋を過ぎると瀬も無くなり、突然景色が変わる。さっきまで見えていた民家や道路も見えなくなり、左には城山という岩登りがさかんな岩山がそびえて立っている。岩肌に色のついた小さな点が見えるがよーく見ると人間がはりついている。

   城山をバックに 

 

のんびりコースを行く
  
このあたりから先、流れは全般的に穏やかなのんびりコースだ。神島橋の先がテトラの瀬となるので注意が要るくらいか。遠くに伊豆中央道が目に入るが、景色も広々としている。鮎つりで有名なこの川もこの時期は釣り人もほとんどいない。
千歳橋手前までは広々とした田舎の景色が続く。フネを進める毎に川の隅からシラサギや首から上が茶色い亜麻サギ?、カモが飛び立って行く。
途中お昼ご飯をとる事にしたが、曇ってきた上に風が強くて濡れたウエットスーツではかなり寒い。結局皆立ちながら食べたので、ゆっくり休憩することもなく出発した。
千歳橋の手前で別のグループと合流。地元の人たちのようで、いろんな種類のフネを使っていた。初心者もいるようだ。その人たちは放水路の先の公園であがるらしい。放水路のある水門は閉まっているようだかなりでかい。放水路はここから西に向かい長岡トンネルを抜け、駿河湾までショートカットで流れ落ちていく。

 

魚が! 景色が?

この分岐点から先はさらに流れが無くなってきた。右岸の北条時政の墓のある北条氏邸跡あたりが川沿いに公園になっている。さっきのグループはここでゴールだ。このあたりは魚影が濃く、チャポンと飛び跳ねている。水もまあまあきれいなので魚が群れをなしているのがフネからでもよく見える。水草も多い。そして魚を見ているうちに景色がいつのまにか変わっていった。両岸が木で覆われ、なんだか上流に戻ったような錯覚に陥る。この先の石堂橋はあがりにくいということで、ひとつ手前の松原橋で今日のショートツーリングを終えることにした。

 上流方向          下流方向

 

柿田川も漕いでみたい!

あと10キロほど下ると、遠く富士山からのきれいな水が湧き出している、知る人ぞ知る、柿田川がある。国道1号線のすぐそばにある湧水池が公園になっていて、そこからわずか1キロほど流れて狩野川に合流する。狩野川から遡ることもできるようだ。我々は歩いて見ることしかできなかったが、湧水池だけでなく川のいたるところで水が沸いているようだ。確かに水がきれいで気持ちよさそうだった。

    
 湧き出し穴では砂が踊る

今回は肩ならし程度に下ってみた狩野川だが、瀬もあり、景色も思ったより良いうえに景色の移り変わりも早く、いろんな表情が楽しめた。今度はもっと水量があるときに下ってみたい。ゴール近くにある山のふもとの露天風呂もすいていて良かった。

 

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