TULLY RIVER LAFTING in Cairns (2001.3.19)

川下りでも海外へ進出!

 とうとう川下りでも海外へ進出だ。とはいっても、今回はケアンズでRaging Thunder社がやっているタリー川ラフティングツアーに参加したのだ。街から2時間ほどバスに乗って、タリー川の上流に行き、5時間ほどかけて下る。途中には40以上もの落ち込みポイントがあるそうだ。ケアンズ1の人気アクティブツアーでもある。

 朝7時に街を出発、2時間弱でタリーの街のRaging Thunder Cafeにて休憩。このカフェの裏には列車のホームがある。駅の裏にカフェがあるのではないことに注意。朝食をとって川の上流へ向かう。その間に道具の使い方や川を下るときの注意点をビデオを交えて日本語と英語できっちり説明があった。今回は7人乗りボート11艇で、日本人ガイドは一人だけ。今日の参加者はやや少ないらしい。あとは日本人のガイド見習い2人がシングルパドルでダッキーに乗って同行。日本人より白人の方が参加者がかなり多い。到着するとライジャケとヘルメットを渡される。今日も雲ひとつない快晴だ。日本より5倍も紫外線が強いとのことで、日焼け対策に皆余念がない。道路の横っちょで適当に着替え、トラックからパドルを銃のように配給される。すぐに森を抜けて川まで降りていき、ボート毎にグループ分けされ、集まった。我々のガイドは白人ででかい。どうもリーダー的な人のようだ。道具装着チェック後すぐさまボートに乗せられた。コンタクトの人はなるべく後ろの席にまわされたが、コンタクトじゃない人はいきなり一番前に、自分はサングラスなので、2番目の席に斜め前に向いて座った。座り方を教わるとすぐに出発。着替えてからスタートまではこのうえなくスムーズだ。

いざ出発!

 スタートしてすぐ、パドルの使い方やボートの体重移動を巧みな日本語のかけ声にあわせて練習。かけ声は「マエエコイデー」「ウシロへコイデー」「ヤメーッ」「ツカマッテ」「ミギニヨッテ」「シャガンデ」「モドッテ」てな感じで何度もこの動作を繰り返し、すばやく調教された。落ちたときの体勢や、それを助ける方法も説明もあった。そして、早速漕ぎ始めた。
最初の試練!

 ここは上流のようで川の幅は狭く、流れも速い。川はやや緑色に濁っている。ウオ−ッ瀬もいきなり4級クラスだ。グオーという流れに乗ってウオータースライダーののりでボートが落ちていくと、思わず歓声が出る。これは面白い。ボートが大きいせいか、やたら安定している。沈の心配はそうなさそうだ。2つ目の瀬の手前で一旦止まり、事前説明が始まった。しゃがみ込みながらパドルを立てて持ち、片手でロープを掴み、なるべく右に寄っていろとのこと。前のボートを見ていると。ダッキーしか通れないような狭く急な滝を降りようとしている。どうやっていくのかと思うと、ボートを45度ほど傾けながら数メートル落ちていった。なるほど車の片輪走行のようなものか。でももう少し傾くと頭が岩で削られそうだ。滝の手前はゆっくり進むので、まさにジェットコースターの落ちる直前といった感じか。落ちるときはアッという間だが、このスリリングな感じはまさにラフティングの醍醐味だろう。

難所の連続

 それから先も次々と難所が現れたが、ガイドの号令のもと、岩にがんがんぶつかりながらも進んでいった。ボートは岩に少々あたっても乗り上げても気にしないで、逆にその反動を利用して回転して向きを変える。そういえば遊園地の乗り物にもこんなのがあるな。さらに滝を後ろ向きでつっこんで行ったときにはもう怖いものなしである。大きな落ち込みには「ダブルウオーターフォール」や「コークスクリュー」とすべてに名前がついていて、岩の上にはカメラマンがいる。そして、先頭のガイドがレスキュー用ロープを持って立っているのだ。たまに飛ばされて落ちる人もいるので、実際にロープを使うところに幾度も遭遇。絶好のビデオポイントである。どうも一番後ろの席はボートの反動が大きくてビヨ〜ンと飛ばされやすいようだ。我々のボートも一番後ろの女性が吹っ飛ばされた。先行組はこんな岩の上で見物や飛び込みをさせられるグループもあった。



どんぶらこ!

 少し瀞場になると、皆ボートから降りるように言われ泳がされた。水が冷たくて気持ちいいのだが、流れがあるので時々お尻が岩に当たって痛い。なるべく足を前に出す方がいいようだ。川岸の方へ向かう練習もし、その後はお互いライジャケを掴んでボートへ引き上げる練習だ。これが後になってすぐに役立つとは。ガイドの言われるがままに前や後ろに漕ぎまくり、くるくる回ったり岩をこすりこすり、これでもかというくらい落ちていく。途中休憩かと思いきや、皆ボートの一番前の席に集まって肩をよせ6人で円陣を組まされた。何をするのかと思うと、なんとそのまま滝落ちである。最後は当然円陣のまま全員川に放り出されるのだった。自分達は運悪く水面で一番下になったため、上にいるカップルがじゃまでなかなか水面に出れなかった。その後は瀞場で記念撮影。自分ともう一人の男は言われるがままにボートの先にうつ伏せで寝かせられ、その上に3段重ねでグエーッと押しつぶされながらも笑顔でぱちり。

シャワー!

 川岸は河原がなく崖になっていてその上から滝がいくつも流れ落ちていた。丁度岩の突き出たところから水がドーッと落ちている。ボートは当然そこへ向かう。頭上からのドドーッという流れの中にボートの先頭席が消えていった。シャワーと呼ぶには暴力的でさえある。痛そうだ。アッという間に水がたまったが、でかいセルフベイラーの穴のおかげで水はすぐに出ていく。洗礼を受けた後は森の中のテントで休憩。2時間たっぷり下っての昼食の時間だ。でかいパンにハンバーグやソーセージ、野菜やチーズをたっぷりのせたビッグハンバーガーだ。ハンバーガーはおかわり自由と案内されたが、一つ食い終わる頃には既に片づけられていた。外はかなり暑いのだが、森の日陰は結構寒い。常設トイレもちゃんとあった。


ここは日本の川?

 休憩もそこそこに出発。後半は瀞場もあらわれてきた。小さな岩が増えてきて日本の長良川や四万十川、大井川にも似た景色に感じる。瀞場ではまたまたボートから降りて泳がされる。気持ちがよくて自ら飛び込み、流れっぱなしの人も出てきたが、瀬が迫るとまるでさめに追われるようにボートにもどる。しかし、ヘルメットだけがいくつも水面に浮かんでいる様子は異様そのもの。このまま続くかと思った緩い流れもフェイントだったのか、またまた豪快な流れが続くことになる。小さな滝の正面に避けようのないでかい岩がある。どうするかと思えばそのままぶつかって止まるのだ。車の衝突実験のようで、これが後でビデオで見ると頭がガックンして面白い。瀬の先に三角にとがった岩がある。ここに突っ込んでしまうと乗り上げたボートはひっくりかえってしまう。ここは皆放り出されて船底がみれるポイントなのだ。幸い?自分たちのボートはうまくすり抜けた。

レスキュー見物!

 自分たちのガイドはリーダーのためか時々岩の間にボートを固定しては、岩の上に登ってレスキューロープを持ち後続に合図を送る。止まっている自分達は間近で後続艇のクラッシュ見物だ。これまで何度も見た光景もこの川ではさらにおかしい。レスキューロープで何人も助けるのを見れた。あるボートが引っかかった時、水が入って動けなくなった。ガイドもお手上げのようだ。ファルトならすでにオダブツだ。レスキューロープで引っ張っても動かず、最後の手段なのか前側のフットスペースの空気を抜き始めた。そこで広がったスペースに全員移動し、またまた円陣を組む。我々のボートも川下に移動し、がんがん揺らしながらロープで引っ張るが、それでも動かない。揺らしている間にも円陣を組んでいた1人が脱落して流されてしまったが、そこはとっさに下流にいた我々が救いあげた。さっきのレスキュー練習の成果が使え、いつのまにか我々はグッドなレスキューチームとなっていた。(言い過ぎ?)10分ほど格闘の末ようやくボートも動きだし、無事進むことができたが、この時間かなり笑えた。普通のオプショナルツアーにしてはトラブル多すぎか?
 

突然のゴール!

 瀞場が続くわけでもなく突然川下り終了。午後もたっぷり2時間下って、最初から最後まで面白い川下りとなった。船を運んでトラックに積み上げ、キャンプ場の更衣室で着替えた。気が付くとおでこが真っ赤になってひりひりしている。おでこにはヘルメットがすべるし日焼けもしないので、日焼け止めを塗らないよう言われていたのだが、あとで写真を見ると自分は他の人と違っていつもおでこ丸出しである。サイズが合わなかったのが後になってわかったのが情けない。


 

アフターラフティング!

 休む間もなくバスで移動となるが、まだ興奮の冷めない白人の奇声が聞こえてくる。朝寄ったカフェにたちより、ここで先ほどのグループでテーブルを囲み、飲みながら撮影したてのビデオを見る。短時間でここまでできるの?と感心するくらいかなりうまく編集されていた。ステージ毎に結構アップで写っている。途中まで見せ、突然放映終了。帰る時間だ。その後を見たい人は500ドル(3500円)で買えますとのこと。写真も1枚12ドル(800円)商売うまいね。

 ラフティングは初挑戦だったが、いつものカヌーと違う迫力と楽しさがある。ちなみにダッキーでも下れるが、ガイド見習いで同行した2人艇はかなり沈していたようだ。ダッキーに乗ると水面が近いのでさらに迫力があるだろう。セルフベイラーは間違いなく必要だ。

 ここまで豪快な川で大勢の初心者が気軽にしかも安全?に楽しめるツアーはなかなかないかもしれない。事前のバスでのビデオレクチャー、スタート直後には川に落ちた時の体勢や泳ぎ方、ボートへの乗り方や助け方を楽しみながら教わり、レスキュー現場を実際に見ることができるというナイスなカリキュラムに感動。かれこれ12時間のツアーだったが、かなり楽しめ、現地ナンバーワン人気のツアーということに納得。我々がやっているツアーと同じようなことをやっているのだが、このシステマチックなツアー運びには感心した。料金も8000円程度なのでケアンズに行った際にはぜひおすすめのツアーである。

  

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