自作キックボード

 

Toyo Board 1号、略して「とよボー1号」(失敗談:12/31)

もっとコンパクトなキックボードがほしくて急に作ってみようと思い立ったのはいいが、お試し版を1時間で制作した結果は実用性に至らず「惨敗」。
とりあえず、その模様を紹介します。

<イメージ>

片足だけをインラインスケート位の長さの板に乗せ、靴を履く代わりに棒を付けて安定させるようなイメージ。

<作成コンセプト>

「コンパクトな移動用ローラー下駄」、「シンプル構造で直進専用」、「安い」

<設計ポイント>

・インライン用の72mmウイ−ルくらいを付けたかったが、ウイ−ルのシャフトを支えるちょうどいい金具が見あたらず、やむなく荷台用キャスターを使用。(65×25mmプラスティックタイヤ)
・スティックは25mmアルミパイプで差込式にした。グリップ部にスポンジカバーを使用。
・デッキはできるだけ短く、スティックと片足が乗ればいいサイズで40cmとした。
・ウイ−ルは曲がらないよう固定。インラインでの片足スラローム走行のように、体重移動でカーブができるはず。
・ウイ−ル取り付けベースに振動対策ゴム板を使用。

  

<試乗結果>

・地上高がかなりあって、安定しないし、さらにデッキ幅が細いため、倒れたときの角度がものすごく急で、すごく恐い。

・曲がらないので傾いた体勢が復活せず、恐い。これはウイールのせいかも。

・スティックが差込式で固定がうまくいかず、すっぽ抜けてしまう。

・ウイ−ルが平たくて横滑りする。

<改造>

曲がらないと安定しないため、前輪スティック部分と、足置き後輪部分とに分け、細い鉄板でつないで、変形スケボー(スネークボード)にもあるような前後可動式にした。

 

<試乗結果>

・接続鉄板部分が体重に絶えられず、曲がって、おしまい。


空しい気持ちのまま、分解して終了。
なんともお粗末でした。


「とよボー2号」にチャレンジ! (これも失敗談:1/22)

<設計ポイント>

前回の反省より

・ちょうどいいウイ−ル用ステーを入手し、使用。
・インラインスケート用74mmウイ−ルを使用。
・車高を下げるため板をくりぬく。
・ウイ−ルの上に足が乗せられないので、1号よりホイールベースを5cm伸ばす。板の長さは40cm。(これは残念ながらコンパクト化に逆行)

・スティックが引っこ抜けるのを防ぐため、スティックに固定用ボルトを通し、左右にL型金具をつけてすっぽ抜けを防ぐ。(ボルトを締めることで固定)
・固定用のボルトとL型金具のスライド機能を利用してスティックを折畳み式とする。
・スティックの高さはMicroと同程度(90cm)。
・総重量1キロ未満(軽い!)
・製作時間は約2時間

 

<試乗結果>

・車高が下がり、スティックも固定でき、ウイ−ルも本物を使用したおかげで、こわごわながらも真っ直ぐ進むことを確認。

・スピードを出すより先にバランスを崩してしまうので、ちょんちょん乗りしかできない。これでは性能的に「没」。

・まったく曲がることはない。やはり崩れたバランスをリカバリーするためには、曲がらないとだめなようだ。インラインスケートの片足走行で曲がるのは、足で横方向にスライドさせぎみに曲がるからのようで、どうも曲がるしくみが違う気がする。

・前からの欠点だったが、板が重さに耐えられずしなるので、補強板をあわててつけたが、それでも思いっきり体重がかけられなかった。次回は厚さ15mm程度の板を使いたい。

・スティックはすっぽ抜けがなくなったが、まだ上方向に完全に固定ができていない。

・構造がシンプルなので、予想通り走りは静か。

・重さはMicroの半分以下。やっぱり軽い!

・折りたためるので、結構いい感じになった。立てかけると、クイックルワイパーのよう。

・車高は下げたが、まだMicroより2cm高いのでやや不安定。

「とよボー2号」(改造その1) (これまた失敗談:2/4)

<設計ポイント>

・とりあえず2輪でいいアイデアがないので、妥協して3輪仕様とした。
・安易だが、前輪はスケボー用トラックを使用。(VENTUREのロータイプ)
・車高は上げないようトラックの取付けを上にした。デザイン効果もあるし。

<試乗結果>

・とうとう自立式ボードとなった。なんか立派になった。

・しかし乗った瞬間に後輪部の板が折れたので、結局一度も乗れずに終わる。結構ショック。

 

「とよボー2号」(改造その2)(2/5)

<設計ポイント>

・折れてもめげずにその板を短くして作ってみた。(38cm)

<試乗結果>

・とうとうまっすぐ走れた!

・板があいかわらずしなりすぎるため、トラックに力が伝わらず曲がらないので、バランスを崩すとリカバリーが効かない。

・かなり板が短いためか、少しでも後傾姿勢になるとすぐおっこちてしまう。


「とよボー3号」完成! (一応成功談:2/10)

<設計ポイント>

前回の反省より

・板がしなり過ぎたので、これまでより少し厚い12mmに変更。
・スケボー用トラックを使用したために車高が上がってしまうので、少しでも下げるために前輪部分の板を2重にしてトラックを埋め込んだ。
・横乗りできるように長さを40cmから45cmへ、幅を10cmから12cmへ広げた。
・トラックと板の重量がやや増えて、1.5キロくらいになってしまった。
・製作時間は約3時間

 

<試乗結果>

・やっと使えるものが完成!一応当初のイメージどおりだ。これならキックボーダー経験者ならなんとか遊べるかも?

・板の幅を広げたのでだいぶ安定し、横乗りにも耐えられるようになった。(それでもK2より少し細い)

・板を3mm厚くしただけでしなりがほとんどなくなり、トラックにしっかり力が伝わるようになって曲がるようになった。

・板の長さが短いためか、横乗りで足を開く幅が狭い。やや内傾を強めて曲がるときに前輪外側が浮き始めて安定しなくなる。また、後輪が踏ん張れず滑ってしまう。前足荷重を強めると少しはましだが、板が短い上に前が段になっていてそれも難しい。

・ブッシュゴムを柔らかいものに変えてみると、曲がりやすくなって乗りやすくなった。

・まだまだ軽いし、振動が少ないので静か。

・直進には使えるが、横乗りではもう少し板が長いほうがよさそうだ。(でもこれまでコンパクト化を目指してるのでここは迷うところ)

  


続けざまに「とよボー4号」作成! (2/12)

3号の後輪の踏ん張りをどうするか考えて、チロースケーターのように2輪にしようかとも考えたが、あまり効果がなさそう。といって後ろにもスケボー用トラックを使うと多分安定するだろうが、もっと重くなってしまうし、結局短いスケボーにスティックをつけたようなものになってしまう。
そこで、試しに前1輪後ろ2輪にしてみた。これだと後輪は踏ん張れるが前輪はどうなるか?

<設計ポイント>

・3号のように板が2段になると少し重いし、ただでさえ足をおくところがないので、1枚板に戻す。
・トラックの取付け位置を2号改良版と同じようにして、車高を下げた。
前輪のウイ−ル取り付け位置だと板に擦れてしまうので、ウイ−ルが板の上に出るよう板に穴を空けた。
・スティック差込穴の隙間をエポキシ樹脂で固めて、ぐらつきを減らす。
・今回は外見にも手を加えた。デッキテープを張り、スポンジグリップあたりも少しイメージを変えてみた。こうも印象が違うものか?3号の方がかわいいという声もあるが。
・スティックが少し長く感じるので10cm短くし、80cmにした。グリップの下にゴムストッパーをつけ、グリップの位置で、5cm程度高さ調整が可能。
・製作時間は約3時間


<試乗結果>

・まっすぐはもちろんOK。ターンも後輪がちゃんと踏ん張って曲がってくれる。ただしカービング性能はスケボーより少し悪いかも。razorの回転半径の倍くらいか。スラロームもなんとかOKだった。

・気になる前輪は問題ないようだ。前が1輪なので、あんまり体重移動しなくても曲がり始めが素直だ。

・スピード持続性はrazorよりやや落ちるようだ。

・これなら初心者でも乗れそうだ。重さも1キロちょっとで「Razor」の半分以下だ。見た目もかなりコンパクト。大きさは最近よく売ってるミニスケボーに近い。
(しかし折畳みの長さはスティックが短くならないので20cmちょっと長い)

・車高を下げたため、ターンで後ろ足が後輪ウイ−ルにあたってしまいブレーキがかかることがある。板の後端に小さな段差用木を貼ってなるべく足の位置を上げてウイ−ルに擦れないようにしてはいるが。

・前輪がほんの少し板の上に出ているので、踏むとほんの少しブレーキがかけられるが、あまり効果はない。

・スティックを短くしたので、スティックにたよらず手を添える感じになった。スティック差込部分も補強したので、ぐらつきもほとんどなくなり安定してきた。

・走行音ももちろんインラインスケートなみに静か。

・「この4号は使えそうだ!」ということで、前回の3号タイプはホイールベースが長くないとだめと判断し、3日間で引退となる。

 

「とよボー4号」"ロングバージョン" (2/27)

横乗り時に両足のスタンスが狭いのが快適でない。また、スティックが前足にかなり近いので前につんのめりやすいため、もう少し長い板がほしいところだ。とりあえず4号の後ろ側に延長ボードを取り付けてみた。後ろ足側の車高が板1枚分高くなるが、前足は低いままだし、後ろ足のウイ−ルとの擦れがなくなるので結構いいのではないか。

<設計ポイント>

・新たに18cmの板を4号と一部重ねて、10cm長くした。これで全長55cmとなる。それでもWetzerより20cm短い。スタンス長は最大50cmでK2より5cm長い。
・それに伴い、後輪取付け位置も8cmほど後ろにした。

    

<試乗結果>

・今度は乗ってて気持ちよさが加わった。10cmの長さの違いでかなり乗り味が違うものだ。スタンスが自由となって、走っていても余裕が感じとれる。4号には無かった「クルージング」感がでてきたわけだ。K2のスタンスより広いのだから。

・ホイールベースが長くなってしまったが、広めのスタンスのおかげでターンが安定した。4号より小回りが利かなくなったという感じはほとんど無い。

・デッキのたわみも適度で、4号より特にたわみが増えたという感じも無い。

「とよボー4号」"番外編" 

更に長くなるよう、ボードを延長!より自作っぽくなる。

   ボードの裏初公開


<今後の改造予定>

・スティック部分がほんの少しぐらつくので、完全固定方法を考える。
・ブレーキを考える。
・2輪版復活は?うーむ。

ロングボードにするとかなり乗り味が変わります。このページのコンセプトは「コンパクトなボード」なのですが、乗ってて楽しいのはやはり少し長い板です。また新たに作成意欲が湧いたら作ってみようと思ってます。

とりあえず、「k2」の2000年モデルを買うまで、これで遊んでます。

 

 

参考費用 合計 約7000円
(材料は東宝日曜大工センターで買いました。スケボー用トラックおよび流用品を除く。)

(ボード部)

スケボー用トラック 3500円
合板 500mm×120mm×12mm 600円の半分
ウイ−ル用ステー金具 300円×2(ぶっといTの字を折ったような6mm穴の金具)
ステー金具取り付けボルト M6 75円×4<BR>
ウイ−ル取り付けボルト M6×50mm 100円
デッキテープ 400円分

(スティック部)

アルミパイプ 800mm 800円
クロームソケット 25mm 120円×2(タンス等のバーを支えるパーツ)
スポンジグリップ 25mm 380円の半分(はめるだけ!)
水道管用ゴムパッキン 25mm用(グリップの下受け用)120円
スティック固定用L型金具 100円×2
L型金具取り付けボルト M5 60円×4
折畳軸用ボルト 5mm×80mm 100円
折畳軸用ボルトスペーサー(真ちゅうパイプ)×2

その他流用品(マイK2インラインスケートパーツを流用。K2はしばらく歯抜けです。)

ウイ−ル 1,000円(想定)×3
ベアリング 350円(想定)×6
カラー(ベアリングスぺーサー)<これのおかげでウイ−ル取り付け用にM6ボルトがちょうど使えた。>


いろいろ設計を考えたり、使えそうなパーツを探したり、実際に作って乗ってみるのもなかなか面白いですよ。だんだん良くなってくるし。みなさんも、もし自作キックボードを作ってみた人がいたら教えてください。アイデア募集中!

しかし、結論から言うと、Microは「良くできててしかも安い!」(もちろんK2も)

スケボーを持ってる人は、スケボーに取り付けられるスティックハンドルが雑貨屋「ガラクタ貿易」などで売っている(「Trick Stick」5800円)ので、取り付けてみればオリジナルキックボードがすぐ作れます。その場合折畳みできないし、ブレーキもないですが、がっちりしたものが作れそうです。使ってないスケボーがあれば試してみてはいかが?

注)スケボーにつけるタイプのスティックがそろそろ売り出されそうですが、ポイントととしてはボードの最前部に付けないとスティックが前足とあまりに近くて使いにくいし、せっかくの板の長さをスポイルしてしまうので注意がいります。

 

Back