セーリングギアとして試乗
 
雪上でのジャンプでなく、セーリングギアとして試乗してみた!


試乗の模様、動画はこちら
インラインスケート
マウンテンボード
ロングスケートボード
スキー
スノーボード
ウインドサーフィン、カイトサーフィンと比較

インラインスケートで試乗してみると

本来雪上がメインゲレンデではあるようだが、硬い砂地やアスファルトでも使える。つまりインラインスケートやマウンテンボード、スケボーなんかでも楽しめるところが特徴。

まずはアスファルトでインラインスケートを履いて試し乗りしてみた。

走り出し

走り始める前のスタンバイ状態にセールをもっていく。ブームが上の状態からにしてセールを返し左の写真の状態にもっていく。
進行方向の手でYチューブを掴み、もう一方でブームを掴むと風の力で進行方向(風向きに対して直角)に進もうとする。

風速3〜4mでインラインで乗ってみると、確かにウインドで進むようにするっと進み始める。初めて使う場合でも、陸上だと進むことは簡単!

ターン

インラインスケートが得意ならタック(風上ターン)も自由自在。ターンの途中片手でブームのマストよりを持てば楽にセールの切り返しができる。途中バックサイド(後ろ向き)に切り替えながらターンもできるし、うまければ回転技も入れながらのターンもできそうだ。

ジャイブ(風下ターン)は微風の場合は風下に進みながらセールを水平に持ち上げると急にセールが重くなる。微風の場合はテールウインドターン(セールを水平にして絶えずマストスリーブ側を進行方向に向けるようにセールを回転させる)が有効かもしれない。

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モデルが悪くてすんません


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マウンテンボードで試乗してみると

走り出し

マウンテンボードを使ってみると、インラインよりは多少走り出しで風が要る。走り出しには助走もしくはベア(風下へ向けて進む)の必要があるかと思ったが、風が適度にあればそのまま風向と垂直に進んでいってくれる。ウインドサーフィンのロングボードのプレーニングのようにのんびり進む。海の上と違いボードの揺れが無いので、走りはきわめてスムーズ。

止まらないで走れる風の強さは最低4〜5mくらいいるだろうか。セールを水平にしてブームの一番マストよりを持ってみて浮いている状態だとまだ少し弱い。その状態からさらに左右に振られる感じだとOKだ。左右の振れは片手でブームのマストよりを持ち、もう片手でマストスリーブを持つと安定して浮いてくれる。

風が弱い時は走り出しのいいボードがよさそうだ。アスファルトでは抵抗の多いゴムタイヤよりロングスケボーのアクリルウイ−ルの方が向いているのかもしれない。
なので、もしマンボーを使って草地等で乗る場合はさらに強い風が必要だ。

プレーニング

走っていてもブームの位置が動くのが少し気になる。風が強くなると、セールが上に浮いてしまうので、押さえながら進まなくてはならない。ウインドのプレーニングのようなスタンスはとれなくなる。ここはハーネスを使うことでかなり安定することだろう。

ターン

テールウインドターンでのジャイブ(風下ターン)をしてみると、ターン中セールを水平に浮かせてなんとかマスト側を風下にしたままでも反対に進めるためのセールの切り返しができた。ただ、ターン後のスタンス(足位置)はそのままなので足を逆向き入れ替えが必要。ボードが長く、ターンが安定していればスタンス替えはできるだろう。海外のビデオではスノボのようにジャンプして180度向きを変えているが、旧式の重いマンボーでは無理だ。

止まり方

止まり方だが、ロングスケートボードテクニックの「パワースライド」などできるわけでないので、タック(風上ターン)して、進行方向の手をブームのマストよりに持ち替えてセールを水平に持ち上げて風を逃してやればスピードが落ちて止まる。

気になる点

アスファルトで使う場合ブームエンドやカーブチップが地面に擦れることがあるので、なんらかの保護するものがあったほうがいい。さらにバテンポケットやカーブチップ接合部も保護しないと一発で傷物になってしまう。ブームもすべり止め用のゴムが巻いてあるが、ウインドのブームのような握りやすい素材のほうがいいのでは?
カーブチップの先に小さなローラーでもあれば、地面に当たっても安心できるし、そのままローラーを利用して進むこともできるような気もする。私の身長173センチだが、それでもカーブチップの先端がよく地面に触れるので、ジャンプや飛行性能は考えず、セーリングとして使うにはもう少しセール長が短いほうが日本人には使いやすいサイズとなるだろう。

いずれにせよ、坂道でもないのに蹴りんちょ無しに走っていられるのは気持ちいいもんだ。

 

 

 

 

風が強い日にロングスケートボードで試乗してみると

120センチのロングスケートボードで試乗してみた。風は5mからブローで7〜8m。

結論からいうとアスファルトではこれが個人的には一番良かった。

走り出し

セールを水平にしてボードに乗ってからおもむろにセールを進行方向に倒せばスルスルッと走り始める。一度キックして進めばさらに出足は速くなる。風も5mくらいあったので、まさにウインドのプレーニングのように体を後ろにあずけてのハイクアウト的セーリングが可能となる。これは信じてもらえないかもしれないが、まさにウインド感覚!上り角度(アップウインド)もかなりとれ、失速もしにくい。ロンスケだから当たり前?

プレーニング

使ったボードがスラロームのやわらかいトラックだったので高速走行になると揺れが激しくなる。両足のスタンスを狭めるか、足先を進行方向に向ける(足をなるべくボードの中心に置く)ことで、ある程度解消できた。ダウンヒル用の高速走行向けのボードならさらに快適に走れるだろう。

止まり方

止まるにはかかとに体重をかけて、風上にターンすればスピードも落ちる。緊急停止の場合、パワースライドが無理(普通無理か?)なら足をどちらか地面にこすりつけるか、飛び降りるしかない。飛び降りた時はどうしても小走りになるので、見てると危なげで面白い?

ターン

ジャイブ(風下ターン)をしてみると、高速ターンができればボードは安定するのだが、セールの返しが難しい。
※一番簡単なジャイブ
スピードに乗った状態でターンのはじめにセールを持ち上げ(万歳状態)、身体の重心を下げて膝を内傾することでターンを始める。
なるべく早めに後ろの手でブームのマストよりに持ち替え、セールのマスト側をターン出口方向に向けてしまうとよい。
持ち替える動作が遅いとスピードが落ちるし、セールが重く感じてしまいターン後半の荷重に集中できなくなる。

ロングボードの場合はターン後にウインドと同じように足位置を左右切り変えることができた。ただし、ターンに入る時にセールを持ち上げ水平にすることで、風は逃せるのだが、ターンの最中はバランスを崩し易く一番危険な状態なので、最初はスピードを出さずにやらないと痛い目に会う。

上記のターンの場合、風と同じ方向に進むことで本当の風が進行風によって相殺され、セールが風を受けず重くなる。ターンの途中でこうなるとターンどころではなくなる。また、ウインドのようにターンの途中までセールを引きこんだままにして、ターン後半でセールを返そうとしてもタイミングが合わないようだ。やはりテールウインドターン(セールを水平にして絶えずマストスリーブ側を進行方向に向けてセールを回転させる)をマスターしないといけないのだろうか?

強風時

強風時はセッティング時やライディング中にブームを離すと飛んでいってしまうので、リーシュコードなどをつける必要がある。他の人への安全性を考えると必需品だ。
風速6mを超えるとセールが上に持ち上がろうとし、押さえが利かなくなるが、風を逃す効果はかなりあるので、この状態でも少し進行方向に傾けるだけでパワーを得て走り続ける事もできる。でも万歳しながら走るのはちょっとかっこ悪い!
後日ハーネスをすることで持ちあがろうとするパワーも水推進力に変わり、安定もすることを確認した。

シバーリング

セールが水平に向いた状態は風を逃し、ウインドでいうシバーリング、ニュートラルな状態となる。片手でブームのマストよりを持ってみると確かに軽く持てるが左右にセールが振られて安定しない。もう一方の手でマストスリーブを持たなければセールがおとなしくならないのだ。
つまり、セールを片手で持っても完全なニュートラルな状態とはならない。片手だけで掴んでもう少し安定すれば操作性もかなり向上するのでは。

今回2度にわたりロンスケで乗ってみたが、風の向きがよかったので全長500mほどのエリアを使って端から端までプレーニングであっという間に走り抜けてしまった。

ウインドサーフィンをやってる人なら風次第で、初めての日でも充分プレーニング感を楽しめるだろう。


 




雪原でのスキーで試乗してみると

赤城山でスノーカイトをやっている最中に風が強くなったのでカイトウイングを取り出して使ってみた。今回はスキー。風速が6mから8mくらいのため転んだ瞬間カイトが飛んでいく心配があったのでブームにリーシュの代わりのベルトを付けて、ハーネスに固定してみた。 

走り出し

走り出しはアスファルトよりは遅い。走り出しでセールが重いうちはカーブチップの先が雪にひっかかり、左写真のようにつまづきそうになった。(アスファルトで擦る感覚に比べるとひっかかりやすいかも)

プレーニング

雪上なのでスピードはめいっぱい出しても安心だ。数百メートルの雪原を自由に走ることができて気持ちが良かった。ちょっとした上り坂も進んでいく。さすがに上り坂ではブームを掴むにも重く感じられるのでハーネスがあったほうがいい。

 







スノーボードで試乗してみると

<よっすぃーさんの感想>
今回はよっすぃーさんがスノボで試乗コメントiいただきました!

ボードで使う場合はバインディングの角度調整を面倒くさがらずにやるべき。体がねじれて安定滑走の妨げになっていたように思います。
マウンテンボードのストラップを取り付けられれば、スケーティングも容易だし、走 り出しの補助にもなっていいと思います。なんせ風が無くなると、身動きが取れなくなりますからね。

また風を受けると体が傾いてエッジが立ちやすく、ブーツが硬いのでボードを平らに 保つのが非常に難しくラフしやすかったですね。ストラップ&自由度の高いシューズで出来れば、この前スケボーで乗ったときの感覚に近づけられると思います。

ウイングの重さは?

知らない人が見ると、カイト自体が重くて手で支えることが大変だと思うかもしれない。しかし、風が適度にあればブームを掴んだ状態でセールは浮き上がろうとして、重さも感じられなくなる。
風速5m以上になると、セールを水平にしてブームのマストよりを持てばハンググライダ−のように翼が浮いたようにみえるだろう。

重量は5.5kg。ジャンプや強風で使わないなら、もう少し強度を下げた軽量バージョンもあるといいのにと思う。(フレームがカーボン製で、重さは4kgという軽量タイプもあるそうだ)

風が弱まると、ウインドのようにボードとマストで支えてくれないので、セールを手で支えるのがつらくなる、こうなったらあきらめてセールを水平にして下ろすか、水平のまま頭にのせて、ウインドでいうウオータースタートポジションで待たなければならない。 

どのくらいの風で使えるの?

風域は風速5〜18m/sまで使用可能。インラインならもう少し弱くても自力で結構走れるのでなんとか遊べる。8m/s以上の強風ではアスファルトでやるのは危険でしょう。なぜならセールが持ちあがりっぱなしになって、セーリングにならないし、ブローで飛ばされると危険でしょう。それから、ブームを離すと飛んでいってしまう。 


ウインドサーフィンと比べると

ウインドサーフィンだと初心者は不安定な水上でのセールアップから始まりなんとか1日で少し進めるようにはなるが、陸上だとセールアップ動作がないのでいきなりブームを持って進むところからはじまるのだ。風を受けて進むまでならウインドスポーツとしては、最もエントリーしやすい部類だろう。

セッティングも断然早い。

ウインドと違ってマストで支点が固定されていないので、風の強弱によってセールの角度、手の持つ位置を変える必要があるが、それほど気にならない程度だ。ハーネスを使えばウインドのように体で引きこめる。 

ウインドの場合、マストの下が支点となってブームを進行方向に倒したりセールの引き込みの加減で動きが決まるが、どこも固定できないカイトウイングの取りまわしには慣れが必要。

ブロー(突風)の場合などは、ウインドのセールのようにマストが固定されていないので、セールを水平にしてブームの端(マストより)を持てばニュートラルポジションになって乗りきれるので安心できるが、風が強すぎると持ちあがるだけでは済まなくなるのか?

カイトサーフィンと比べると

カイトでも同じように陸上でのサーフィンができるが、カイトのように50〜100m四方のあげるためのスペースを確保する必要が無いところが断然いい。また、カイトだとガスティー(安定しない風)は危険であるが、そんな中でも手元ですばやく風を逃せるので扱いやすい。

ジャンプもカイトは高さががすごい。カイトウイングはどちらかというと飛魚的だ。

逆に道具が重くでかいところがカイトより劣る。また、適応風域がどの程度かわからないが、風に合わせたサイズラインアップがあまりない。でかいカイトに比べると微風では使えない。

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